631/1664
-エグル・アードラーとは?-3P
そんなガニメドの前に、エグル・アードラーの姿から、人の姿に戻る全知全能の神。
神の存在を知っていたガニメドは余計に困惑し、なにが起こったのか? 頭の中で思考を駆け巡らせます。
ですが、考えてもまるっきり解らない。それは当然のこと。
全知全能の神が、ガニメドに惚れ込んでしまっただけなのですから。
そんな困惑の感情を露にするガニメドなど無視し、全知全能の神は、
「おまえは美しい。わたしの側にいてくれると言うならば、おまえに永遠の若さと美しさを与え、人々の憧れとなることを約束しよう」
と、一方的な提案をし始めました。
ガニメドは大変困ります。
それは当たり前のこと。目の前には全知全能の神がいる。そんな神からの提案を無下にすれば、人の世界などたちまち消滅させられるのですから。
ガニメドは一瞬、断ろうかと考えましたが、人類の未来が自分の判断により終わりを迎えるかもしれない。そう理解し諦めを選択することに決め、全知全能の神の申し出を受け入れました──