-メテオカフェ-1P
「ここ、ずっと気になっていたんだにゃ!」
クルトは嬉しそうにそう言うなり、扉を開け──
──カランカラン。
心地の良いベルの音ともに、
「いらっしゃいませ、三名様ですね。当店は初めてですか?」
落ち着きのある店員が、慣れた態度でクルトに確認し始める。
「初めてだにゃ♪」
「ではメテオカフェのコンセプトをお伝えしますね」
店員はそう言うなり、まずここは星々をイメージしたコンセプトカフェということを説明する。
そのあと注意事項として、一人最低でも一品以上の、飲み物か食べ物を注文する必要性があると説明を続けた。
でも飲食店なんだから、注文はするよね……? どうしてそんな注意事項を説明したんだろ? そう思いながら二人に目を向けると、ルフーラは退屈そうに欠伸をし、クルトは目をキラキラと輝かせ、早く満喫したい! そう言いた気な雰囲気を出し続けていた。
「──ではお席に案内しますね」
その間、店内を見渡していたんだけど、星々をモチーフにしていると言うだけあって、店内は全体的に星や月なんかをイメージしたモノが、多数飾られている。
それはまるで、夢の国にでも迷い込んでしまった様で、錯覚しそうなほど幻想的な空間。
「ここ、とっても素敵なところだね」
僕は店内を見渡しながらそう零すと、
「そうだにゃ! そうだにゃ!」
クルトは自分のことの様にとても誇らしげな態度で、満面の笑みを浮かべた。
その笑顔は、クルトの活発的で愛嬌のある性格が、滲み出ている様な気がして、なぜか僕まで嬉しくなってしまうほどキラキラと眩しかった。
「こちらのお席でよろしいでしょうか?」