-ルフーラたちと-5P
「クルトはサプライズ系が好きだからね」
そんな僕の態度が目に余ったのか、ルフーラは苦笑しつつも、どこか優しい雰囲気で、ポツリと零す。
だけど、その表情は次第に翳り──
「でもこの前は、サプライズでファントムパニックハウスに連れていかれたから、あれは本当に勘弁して欲しいって思ったけど……」
なんて苦笑しながら、小さく愚痴を零し始めた。
……ん? あれ? ファントムハウスに連れていかれた? 勘弁して欲しい……? もしかして……。僕はルフーラの発言を聞き漏らすことなく、その言葉を数度脳内で繰り返し──。
「……ルフーラって、もしかして怖いの嫌いだったりする?」
僕は目を点にしながら確認した。
まっ、そんなことないよね……だってルフーラだし? そんなことを思っていたけど、
「嫌いじゃないし、苦手なだけだし」
ルフーラはそう言って、ファントムハウス系が嫌いなことを打ち明けてきた。
……ルフーラにも弱点あったんだ……。僕は目からウロコが落ちてきそうな感覚を覚えながらも、苦手も嫌いも、ほとんど同じだよね? なんて考えたあと、「ご愁傷さま」と苦笑しておいた。
「そんな哀れみ要らない。あんたも行ってみれば判るよ。もう二度とあそこには行きたくない」
そんな僕の反応にルフーラは、溜め息をつきながらも、本当に嫌だったことが伺えるほど、げんなりした顔で言う。
ルフーラがここまで言うんだ。きっとそれだけ怖い思いをしたんだろう……。
そう思う一方で、まあ、僕には関係ないんだけどね。ファントム系だろうと、パニック系だろうと僕に死角はなし! 怖くないもん! なんて背伸びする考えを胸内に隠した。
そんな話になったから、それとなしにファントムパニックハウスのことを聞いてみた。
なんでもルフーラは、ファントム系もパニック系も大の苦手らしい。それを解った上でクルトが「苦手克服だにゃ!」なんて楽観的な態度で連れていかれて──