〔没にしようとした箸休め〕:-ルフーラたちと-1P
えっと……差し替えしようと思いましたが、結構この話本編に後から出てきてましたね……はい。
ということで、一先ず掲載しておきます。
とある日のこと。
この日はヘレナとムーステオに行こうとしたけど、臨時休業で不発に終わり──。僕は、そのまま家に帰るのもなんだしと、適当にアムーズの街を散策していた。
「それにしても暑いな……」
日が過ぎるのは本当にあっという間で、いつの間にか春もすぎ夏本番、真っ只中の気温に僕はへばりながら、手で顔を扇ぎながらそのまま帰ればよかったなんて後悔していた。
「あれ? リーにゃんだにゃ! どうしたんだにゃ?」
僕が刺すような日差しに参っていると、聞き覚えのある声が。
その声に、汗をダラダラと流しながらも僕は、
「えっ?」
ゆっくりと振り返ると──
麦わら帽子に半袖短パン姿のクルトと、少しシックな装いのルフーラがいた。
多分、二人はデートの最中なんだと思う。
夏ということもあり、麦わら帽子が映えるクルトに、どこか涼しさを感じながらも僕は、
「二人ともどうしたの?」
世間話をするように返事する。
「今日は僕のお仕事が休みにゃから、ルーにゃんに付き合って貰ってたんだにゃ〜!」
クルトは本当に嬉しそうに、満面な笑みで答える。
「ほんと二人って仲がいいよね!」
僕はそんな二人が微笑ましくて、自然と顔がほころんだ。
「あんたすっごい汗だね……」
そんな僕とは対照的に、ルフーラは引き気味に「そんな汗ダラダラで僕に近づかないでよ?」なんて一歩後ろへ下がる。
「人を汚いものみたいに扱わないでよ、もう! こんなに暑いと、汗もかくよ!? ──ていうか、どうして二人ともそんなに涼しそうなの? 僕暑くて死んじゃいそうだよ……」
そんなルフーラの言動に僕は、どうしてこんなに暑いのに、二人は汗一つかいていないのかと疑問に思い、口にした。
「さっきまで店の中に居たからかにゃ?」
そんな僕の疑問に、なぜ疑問形で返すのか解らないけど、クルトはそう言いながらルフーラに視線を送る。
「そんな感じ。で、あんたはなんでこんなところにいんの?」
そんなクルトの視線を感じルフーラはそう答えつつも、僕がこんなところにいるのは珍しい。そう思ったんだと思う。アムーズにいた理由を聞いてきた。
「あっ……、さっきまでヘレナといたんだけど……。ムーステオが臨時休業になってたから、現地解散したんだ!」
僕は、事前に休業することを知らなかったと、怒っていたヘレナの真似ごとをしながら二人に説明する。