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ファントムハウス5〔ルフーラの憂鬱〕6P
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「へ、へ〜」
僕は災難だったねなんて内で零しながらも、背筋に冷たい汗を一筋垂らした。
「いや、このあとも続きがあってさ」
「えっ、まだあるの?」
僕は憂愁を含む溜め息を漏らすルフーラを前に、目をぱちくりと瞬かせながらもそう聞き返してしまった。
「うん。クルトがね……」
そう言いまた話を続ける。
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ヘレナのせいで、僕たちはリタイア……強制退場させられたのでさえ疲れたけど、リタイア口を出た瞬間、
「……ありゃ? いつの間にかゴールしてたにゃ! ファントムハウス、初クリアにゃ!」
なんて歓喜しながらクルトが言い始めたんだよね。
「いや、ヘレナの問題行動で追い出されたんだけなんだから、ゴールじゃなくない?」
「いーにゃ! 僕たちなにも悪さしてないにゃ! だからゴールにゃ!」
そう言って、なかなか認めてくれなくて……。
「いや、強制退場された挙句、僕たちまでヘレナと一緒に行動してたから、出禁を言い渡されたでしょ?」