-ファントムハウス4-〔カルマンチーム2〕7P
僕を驚かせなきゃこんなことになってないもん! そんな苛立ちを覚え、
「フェルが魂が! とか言ったあと、大声出すから悪いんでしょ!」
なんてギャーギャーと言い合いをする。
すると、そんな僕たちを見兼ねてか、「ちょっとそこの君たち! 立ち止まると危ないから!」と少し小太りで体のあちこちに弓矢が刺さった人が注意を促してきた。
だけど僕もフェルも気が立っている。
「君は黙ってて!」
「オマエは黙ってろガウ!」
そう一蹴したあと、
「フェルが悪いんだから、人のせいにしないでよ!」
「オレサマはなにも悪くないガウ!」
「いーや! というか、ずっと騒いでたけど、フェル怖くないって最初、言ってなかったっけ?」
「はぁ!? オレサマがいつ怖がったガウ! オマエの方こそ怖がっていただろガウ!」
「嘘はよくないと思うけど!? それに、僕は最初から行きたくないって言ってた! フェルはオレサマ最強ガウ〜とか言って鼻ほじってたじゃないか!」
「嘘じゃないガウ!」
再度、そんな言い合いを続けた。
その間、僕たちに注意してきた人は、
「あっ……、はぁ……?」
と一言、そこからなにも声を発さなくなり……そんな僕たちに心底腹を立てていたんだと思う。
「おまえらいい加減にしろ!」
カルマンが鼓膜が破けそうになるほどの大きな声を発し、僕とフェルの頭を思いっきり殴りつけてきた。
「いっっっった! なにするんだ、この暴力男!」