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ファントムハウス3:〔カルマンチーム編〕-8P
「だってじゃない」
「なんで!」
「なんで、でもない」
恐怖に陥り頭が真っ白な僕とは裏腹に、かなり落ち着いた声を発するカルマン。そんなカルマンにフェルは、
「さてはオマエ、人間じゃないだろガウ!」
なんて、僕同様にパニックになっているからか、そんな言葉を投げつける。
「はぁ──。ならおまえら、ここから二人で行くか?」
そんなフェルに呆れるようにカルマンは、鬼畜じみた言葉を僕たちに返し、脅し始める。
だけど今の僕もフェルもある意味、無敵だ。カルマンの脅しなんかに屈さず、
「無理だから! 僕、動けなくなるから! カルマンが責任もって僕だけでも、リタイア口まで連れてってよね!」
「オマエ、そんなことして許されると思うなガウ! オレサマをここに入れたガウから、責任取ってゴールまで連れて行けガウ!」
なんて怒気を強め、喚き散らした。
「はぁ──。ほんとうにおまえらは……」
そんな僕たちにカルマンは、「こいつらの反応が面白いからってあんまり脅かしてやるな」なんて、お化け役に言い嘆息したあと、「ここに仕掛けがある」なんてことを教えてくれるようになった──。