600/1664
ファントムハウス3:〔カルマンチーム編〕-6P
僕はそんなカルマンに、意味が解らない。そう思いながらもお化け役の前を通り過ぎようとすると、
「うおおおおぉおおおぉぉぉ!」
そう言い、僕に包丁を振り上げ盛大に威嚇し始める。
「ごめんなさい! ごめんなさい! もうヤダ! 僕、お家帰る! ねぇ、カルマン!」
そう涙を溜めながら必死にカルマンを押す。
逆にフェルは、僕の足元にしがみつきながら、
「オマエ、なにガウか! こっち来るなガウ! 殺すぞガウ!」
なんて暴言を吐いていた。
そんな僕とフェルの反応に、カルマンは笑いを堪えるように、
「おい、押すな」
呆れ気味に注意する。
「お、押してないもん!」
「はぁ──」
そんな会話のあと、僕の肩を誰かがちょんちょんっとつつく。
もう! フェル、変なことして驚かせようとするなんて辞めてよね!? そんな怒りに近い感情を持ちながら、
「フェル、イタズラは良くないよ?」
そう注意を促した。
「オ、オレサマ、イタズラなんてしてないガウ!」
だけど、どうやらフェルがしたわけじゃないみたい。