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16歳の誕生日-4P
そんなことを考えながら訝しげていると、ヒントよ。なんて言いたげに、奇麗に包装された小箱を手渡してきた。
でも、やっぱり心当たりがない。僕は小首を傾げ、悶々と悩む。
そんな僕の態度に待ちきれなくなった様子で母さんは、
「リーウィンちゃん、十六歳のお誕生日、おめでとう!」
そう言ってギュッと抱きしめてくるから、今日は自分の誕生日だと思い出した。
チラッと見えるカレンダーには、今日だけ大きなハートマークが。めちゃくちゃ楽しみにしてたんじゃん!? そんな驚きを内に零しつつ、
「母さん、ありがとう! でもそんなに回りくどいやり方じゃなくても良かったんじゃないかな?」
なんて苦言を呈しながら、僕は母さんの腕から抜け出した。
「回りくどくないわよ! なに言ってるのかしら? あー! さては、誕生日のこと忘れてたとか!?」