599/1663
ファントムハウス3:〔カルマンチーム編〕-5P
えっ、なに!? 僕の足にお化けでも張り付いてる!? そんな焦りを覚えながら、カルマンの服をギュッと握ったあと恐る恐る足元を見ると、
「オ、オレサマ怖くないガウ!」
なんて言いながら震えているフェルが……。
なんだ……フェルか……。そう安堵したけど、怖くないって言いながら、めちゃくちゃ怖がってるじゃん! 僕はそんなフェルに、呆れのような安堵を覚えながらも必死にカルマンの服を握り、前へ進──
「うおぉぉぉぉおおおおおぉ!!」
フェルが僕の足にしがみついていることに気づいたその直後、包丁のようなものを持ち、血濡れたローブを羽織る誰かが僕たちの前に現れる。その瞬間、
「ぎやゃああああああああああ!!!!」
「にやゃああああああああああ!!!」
僕とフェルは驚きのあまり大声で叫ぶ。
だけどカルマンは、「お疲れ様」そう言いお化け役の肩をポンポンと叩いたあと、そそくさと進んでいく。
えっ、なんで!? どうして驚かないの!? カルマンの心臓には百本くらい毛が生えてたりする?