-ファントムハウス2:僕の人権を返せ!-7P
「僕もどっちでも良いにゃ! あっ、でも強いて言えばヘレにゃんの方が友達だし、安心できるにゃ!」
そうさり気ない要望を口にするクルト。
「ということは……」
僕は、そこまで口にし、内心ガッツポーズをする。ヘレナのトラブルメーカー度はカルマンより上だし、僕の要望も普通に通った! そう安堵しながら二人の元へ行き、
「僕とフェルとカルマン。ヘレナとルフーラ、クルトで分かれるってことで、言い合いはそこら辺でやめてね?」
そう話をまとめた。
だけど、ヘレナだけは納得してくれない。
「どうして勝手に決めるのよ!」
なんて口を尖らせながら小言を連ねる。
そんなヘレナに僕は、
「仕方ないでしょ? 僕とフェル、ルフーラとクルトはセットになるんだし。それに僕は二人と『友達』だけど、ルフーラもクルトもカルマンのこと知らないんだから」
そう現実を突きつけつつ、今回は我慢するようにと諌めた。
だけど、「嫌よ!」なんて駄々をこねるのがいつものヘレナ。
そんなヘレナに、
「僕たちと行くのは嫌かにゃ?」
なんてクルトが寂しげな表情で聞くものだから、流石のヘレナも反論できなかったらしい。
渋々ながらも納得し、僕たちはいざファントムハウスへ──