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-とある日のファントムハウス-6P
「面白そうだし、私も着いて行ってあげるわ!」
なんて、かなりの上から目線でカルマンに申し出る。
そんな彼女にカルマンは、なんだコイツ。普段から気持ち悪い部分はあったが、今日はいつもに増してキモイな。などと、胸の内で零していた。が、それを言えばまた面倒臭いことになる。そんな学習をしたのか、
「そうか、好きにしろ」
そう言い、鼻で笑った。
普段のヘレナならば、カルマンのそんな態度に文句を言いそうだが、今はどんな風にリーウィンに接近しようかしら。などと頭をお花畑にしていたこともあり、特に気にならなかったらしい。
そんな二人のやり取りが終わったタイミングで尿意を催したリーウィンが目を覚まし、
「ん〜」
と言いながら立ち上がる。
「どこに行くんだ?」
「ん? トイレ……」
「そうか。その前に、さっきの話は聞いていたんだよな?」
「ん? うーん……」
頭が回っていないリーウィンは、カルマンが言っていることをなに一つ理解していなかった。