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-フェルの異変-6P
僕はその夢と現実のタイミングが、あまりにも噛み合いすぎて一瞬だけ頭を悩ませる。
でも、考えれば考えるほどよく解らなくなっていく……。最終的にはただの偶然と自分に言い聞かせることにした。
僕がそんなことを考えていると、
「にゃぁぁぁぁ!?」
フェルが急に大声で叫び初める。
「も〜なに? どうしたの?」
本当に騒がしいんだから……。
僕はそう思いながら、片耳を塞ぎ、確認する。
「オレサマの……、オレサマの綺麗な黒い毛が!!! 白くなっているガウ!!」
フェルはとても深刻そうに、この世の終わりだ。といいたげな顔をしながら、僕に必死に訴えかけてくる。
でも、正直な話、全く興味が湧かない。見慣れなさはあるけど、そんなに深刻な反応すること?