-フェルの異変-4P
キョトリとした態度で、苦笑されちゃった……。
やっぱり、母さんには僕とは違うフェルにしか見えていないんだ……。僕は、大きないびきをかきながら寝ているフェルを見つめながら、不思議な感覚を覚えつつも母さんの言葉に従って、その日はベッドで安静にしておくことにした──。
翌朝、僕が起きると同時くらいに、フェルも一緒に起きて、
「おはようガウ……」
なんて、とても眠そうに目を擦る。
そう言えば昨日、僕が眠ったあとに起きてどこかに行った形跡もないよね? ということは……ずっと寝てたのかな? そんなことを考えながらも、
「おはようフェル、なんか疲れてそうだけど大丈夫?」
やっぱり見慣れないな。なんて感じながらフェルの挨拶に軽く返事する。
「オレサマ、いつだって元気ガウ……。ただ……、変な夢をずっと見てただけガウ……」
フェルは、ずっと影の中で退屈になり、どうにか抜け出せないか? とあの手この手で脱出方法を考えていたらしいんだけど、とあるタイミングから急に、力が抜けたように眠くなり、影の中で眠っちゃったらしい。
それがどのタイミングかは判らない。でも、僕が確認した時にフェルは影にいなかった。
もしずっと、影の中で眠っていたんなら、あの獣たちが現れた時もいたはず……。どういうこと? 僕は不思議に思いながらも、