560/1664
-カルマンの生還、そして新たな問題-6P
これはいわゆる絶体絶命って奴? そんな自問自答をぐるぐると繰り返すも、なにも行動に移せない。
死の淵に立った時は、もっと大胆な行動ができていた気がするけど、やっぱりあれはプラシーボ効果が強かったのかな? 僕は一人じゃ、やっぱりなにもできない弱虫らしい。
僕はそんな自分に腹立たしさを覚えながらも、今できることを必死に模索し続けた──。
だけど、なにをしてもカルマンは一切、目を覚まさない。こうなったら、教会に頼る他なさそうだ。僕は焦燥感を抱いたまま、一生懸命引きづって教会まで運んだ。
その道のりはかなり険しいものでしかなった。
カルマンと僕の身長差は、約二十センチもある。そして、契約する前に教えてもらった体重は絶対、嘘だったんだと思う。
絶対六十キロはある! それくらい重くて、運ぶのは本当に骨が折れた。意識を失った人間はこれほどまでに重いのかなんて驚愕しながらも、教会の目の前で、僕も疲弊していたからか力尽きた──