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-カルマンの生還、そして新たな問題-4P
「なんだおまえ。拗ねてるのか?」
そんな僕にカルマンは鼻を鳴らしたあと、僕のほっぺを引っ張り始めた。
その力はそこそこに強く、気を抜いていた僕は、
「いだ、いだいって……!」
そう言いながらカルマンの手を叩き落としながらも、魂力を使いすぎた反動で気枯れを体内に宿していたはずなのに、どーしてそんなに力が強いんだよ! そんな文句を胸の内で吐き連ね──。
少し、気持ちの整理ができたあと、
「本当に、本当に良かった!」
そう涙を浮かべながら満面の笑みで「おかえり」なんて続けながら、黒々とした霧の様なモノを纏った手をギュッ力強く握った。
「おまっ……、俺の手に触れば死……」
カルマンはそう言い、目を見開き弱々しい力で、僕の手を振りほどこうとする。
だけどさっき僕のほっぺを引っ張ったことで残りの体力も使っちゃったんだと思う。
疲弊しきっているカルマンは、僕の手を振り払うこともままならず、黒々とした霧のようなモノが次第に僕の手に移っていく。
だけど──