059-カルマンの生還、そして新たな問題-1P
お願い! カルマンを救いたい! 絶対に死なせたくない! だから……だからどうか治って!
そんな祈りを込め、必死にカルマンへ光を当て続ける。
すると、僕から放たれた光は、眩いほどの輝きを放ち始め、カルマンの気枯れを浄化していく。
その理由が僕の願いに応えてくれたからなのか、それとも気枯れは不治の病じゃなかったのか……それは解らない。でも、治せるなら──っ! 僕は意識を一点に集中させ、光を当て続けた。
その時間はかなり長く感じられる。普通の病気や怪我が数分で治せるのに、気枯れは深く根を張り巡らせるカビのようにしぶとい。
どれだけ光を注いでも、光が弱まることは決してない。だから治っているのか、治せないのかも判らないまま、僕の体力をどんどん吸い上げていく。
その反動はかなりのもので、数十キロを休憩を挟まず走り続けるように、脈が速くなり息が詰まっていく。
苦しい……。そもそもこの力も魂力のはず。これ以上あて続けると、今度は僕が気枯れに呑み込まれてしまう……。
酸欠に似た苦しさが喉を締め付け、意識が朦朧としていく。それでも『助けたい』『救いたい』その一心でカルマンの気枯れを浄化し続けた。
それでも一向にカルマンは目を覚まさない。まだ光も弱まらない。これ以上はもう……。そんな弱音に呑み込まれ、限界を迎えようとした時──
カルマンの指がかすかに動き、薄らと目が開かれる。そして──