-死に至る病、それは――-7P
『怖いなら俺が変わってやる』
──変わるってどういうこと……? ううん、それよりもカルマンは殺さないで!
『殺しはしない』
君がそう言うなら──信じるよ。
『そうか』
変わるという意味は全く解らない。だけど、きっと僕への励まし、鼓舞なんだと思う。
他力本願はダメ! 僕は自分で決着をつけるため、目にチラつく禍々しいオーラを放つ糸に向け、剣を伸ばす。
だけど、そう簡単には糸を断ち切らせてくれないらしい。それに気づいたカルマンが、俊敏に鎌を構え、僕の攻撃を阻む。そして僕が攻撃の重さに怯んでいるうちに、体制を立て直し追撃を繰り出す。
あと一歩……。あと一歩のところでカルマン自身に阻まれ、糸が遠退いていく。もう! なんで切らせてくれないの!? そんな苛立ちを覚えながらも何度も糸を切ろうと剣を振るうけど、あと一歩が叶わない。
糸を断ち切れるかもしれない距離にいるのに、蜃気楼のように遠ざかっていく。そんな焦燥が次第に苛立ちを呼び、僕の太刀筋が乱れる。
──そのできた隙をカルマンは見逃さなかった。見逃すはずがなかった。
まるでそのタイミングを見計らっていたように、鋭く俊敏な動きで間合いを詰め、一気に形勢は逆転する。
ううん。きっと、最初から優勢じゃなかったんだと思う。それくらい計算されていそうな動きだったから……。