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-死に至る病、それは――-5P

「時間のようですね。主様の活躍を、今後も近くで見守っております」


 今際(いまわ)の別れのように、寂しげに瞳を揺らしながらも、どこか決意に満ちた瞳でそう告げる。


 その意味はなに一つ判らない。活躍? 近くで見守る? なにを言っているの? もしかして……白い獣は神やそれに準ずるモノってこと? 僕には視認できないけど、白い獣からは見れるみたいな……? 考えてもやっぱり答えなんて見つからない。


 そんな僕には構い無しに白い獣は、黒い獣に視線を送る。それはまるで、言葉のない会話を交わしているようだった。


 それに応えるかのように、黒い獣は渋々と体を起こし、白い獣と同様に消え入りそうな儚い光をまとい始める。


 今からなにかが起こる。


 そんな予感が脳裏をよぎった瞬間、二匹の獣は一瞬にして姿を消し、代わりに蛇腹剣の中心部──あの隙間に、アキメネスの花が咲き誇り始めた。


 あの獣達はどこに行ったの? そんなこと僕には全く解らない。だけど、今はそんなことを考える余裕も時間もない。


 僕は二匹の獣の行方をあと回しにし、カルマンへ一歩踏み込んだ。


 それに気づいたカルマンは、瞬時に僕に狙いを変えたらしい。鋭い目つきで僕に迫る。


 えっ、待って!? めちゃくちゃ速いじゃん。人間辞めてない!? そんな焦りを覚えながらも僕は、震える手で剣へと姿を変えた鞭を構え、防御の姿勢を取る。


 カーンッ。


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