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-見えない力、自分を信じて-10P

解ったことも二つだけある。それは、それは、クトロケシス神が語る運命をあの使者、メルキセデクもまた望んでいるということ。そして……僕はまだ、生きていていいのだということ──。


 まだ生きていていい。その言葉の意味が僕の心にしっかりと響いた瞬間、これまでの張り詰めていた緊張が一気に解け、体から力が抜けていくのが解った。


 それと同時に僕は膝をつき、「まだ、生きてていいんだ……」そう何度も繰り返す。


 繰り返すうちに、その言葉は次第に現実味を帯びていき、それが僕に安堵をもたらしていく。だけ安堵感を覚えた瞬間、新たな不安が頭をもたげた。


「僕は生きてていいってことだけど……どうやって帰れば?」


 その事実は僕を動揺させ、困惑させるには充分すぎる要因で、このままこの場所に一生、取り残されるのかもしれない──そんな不安が胸に広がり、瞳が揺れる。


 だけど、メルキセデクはそんな僕の不安や畏れなんて最初から見透かしていたらしい。


「おまえの力を信じ、進め」


 そんな声が聞こえて来たかと思うと、さっきまで見ていたはずの映像や景色なんかはぐにゃりと歪み──いつの間にか、僕は現実に引き戻されていた。


 さっきのはなんだったんだろう? それにあの映像は──

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