533/1663

-見えない力、自分を信じて-5P

いや……世界の終焉とも呼べそうな緊迫感があり、最悪の運命を映し出し続けている。

　だけど、こんな記憶、僕は持っていない。まさか忘れていた？　そんな疑問が頭を巡る。

　でも、混沌へと落ちていく街を過去に見ているなら、インパクトが強すぎて忘れられないような……。もしかして……これは未来の記憶……？　そんな可能性が一瞬過ぎるけど、脳は否定的な回答しか導かない。

　まさかね、有り得ない。未来は未確定で、いくつもの道に分岐すると聞く。

　じゃあこの映像は……？

　誰かが新しく作った可能性？

　それとも、別の世界軸の話？

　そう自問してみたけど、僕には答えようもなければ知る由もない。

　それでも自分なりに理解しようとあれこれと考えを巡らせ続ける。

　未来なんて本来未確定な要素が大きすぎるはず。未来というものは、無数の道で分岐していて、そのどれもが選択の繰り返しによって決定づけられる。そう、幼い頃に教会で聞かされた記憶がある。

　なら、考えられるのは、誰かのいたずら、もしくは別の世界軸の話……