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-ツカイマの間に隠された部屋-8P
確か、突然、子供の声が聴こえてきたんだよね……。でもどこにも子供なんていなかった。
今まで誰かに思考を止められていたような、支配されていたような感覚がなくなると同時に、この部屋に違和感を覚え無意識に背筋がゾッとし、冷や汗が垂れ始める。
もしかして僕は、この部屋に呼ばれた? いや、そんな……まさか……ね。そう思い込もうとしても、心の奥底では拭えない不安が渦巻き、息が詰まっていく。
ドッドと鼓動が速まり、頬に一筋の汗が垂れると同時に、
「誰かいるのだわね?」
落ち着きのある女性の声が、どこからともなく部屋に響く。
そんな声にハッとし、もしかするとここは見ちゃダメな場所だったのかも!? もし見ちゃダメな場所だったら、怒られるだけでは済まないんじゃ……。そんな焦りや不安を覚え、僕は慌てて魔境の最奥部をあとにした。
「ご馳走様」
そんな声が発せられていたことなんて僕は気づかずに──。




