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-ツカイマの間に隠された部屋-7P
まだ形すら存在しない半透明なナニカが浮遊していた。そのナニカの中心部には、心臓のような赤々としたひし形が鼓動している。
「僕を呼んだのは、もしかして君?」
冗談半分で声を掛けるけど、返事なんてあるはずもない。
だけど、あの声は一体なんだったんだろ? そんな疑問を抱えながらも僕は、なんとなく培養ポッドに軽く手を添える。
ビリッ
「いっ──!」
培養ポッドに手を添えた瞬間、電気が身体中に走った様な──、ナニカに噛み付かれた様な鈍い痛みが走り、僕はびっくりしながら悶絶する。
なんなんだよ! そんな苛立ちを覚えながら目を凝らすと、僕が触れた培養ポッドには、なぜか小さな針のようなモノが等間隔についていた。
これに指を刺したのは解る。だって針で刺したように血が少し滲んでいたから。そんな指を口にくわえながら僕は、どうしてこんなところに来ようと思ったんだっけ? なんて自問する。




