-魂の覚醒-7P
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僕がまだ四歳くらいの頃。
母さんとはぐれ迷子になっていた時、僕とさほど歳の変わらない少年? が、正気の沙汰とは思えないほど、奇妙な雰囲気を漂わせる魂を遣う者と、武器を交え闘っていた。
なぜ少年が疑問形かと言われると、髪が長かった記憶があるから。
長髪は女の子の特権だと思っていた僕に、違うと教えてくれたのはカルマンだ。
カルマンは、長く伸びる黒髪を頭上でひとつに束ねている。だからその子も、もしかすると少年だったかもしれない。という気持ちがある。
まあ……。記憶に残る太刀筋から、少年だとは思うんだけど……。
なぜ今なのか? それは僕にも判らない。ただ、カルマンをみているとふと脳内に再生された。
あの時の少年は今の僕と同様に、生死の狭間に投げ捨てられた様に、魂を遣う者へ向ける全ての攻撃に、重みがあるように感じた。
死にたくない。死んでたまるか! その少年からはそんな強い意志が漂い、魂を遣う者はどこか奇妙な笑みを浮かべていた。
カーンッ。キーンッ。と金属音がぶつかり合い、激しく火花を散らす。
両者一歩も引かぬその闘いに、僕は部外者ながら息を飲んだ。
それは美しいという感覚からじゃない。そもそも、その二人からは美しいだとか、憧れなんてモノは一切感じなかった。
ただ、