-魂の覚醒-5P
カルマンは僕を殺さない、僕を守ってくれるはず。そんな気持ちが捨てきれない。きっとこの考えを普段のカルマンに言えば、「甘いな」なんて言われるかもしれない。それに、ただの僕自身の驕りであって全面的に間違っているかもしれない──
だけど……それでも──っ! カルマンのことを信じたい。だから僕が止めなきゃ!
僕は感情論と本能で揺れ動きながらも一つの答えを導き出したと同時に腹を括り、深く息を整えたあと、ロザルトの鞭を具現化し、防御体制へ入る。
止めなきゃ。止めんだ! そう決意するも、冷静に考えて、僕にできるの? そんな疑念が悪魔のようにつきまとう。
その疑念の通り、僕にはきっと無理だと思う。だって、相手はなんたって教会が誇る最強の魂を遣う者、カルマンだから。
カルマンと闘おうなんて無謀にもほどがある。
逃げたくもない、死にたくもない! そんな甘い考えなんて今は持ってられない。ならどうする? 僕の命に変えてでもカルマンを止める。止めなきゃいけない。死を覚悟してでも……っ!
でも死ぬのは怖い。だから頑張れ僕。そう自分に言い聞かせ、鞭を握る手に力を込めた。
キーンッ