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-魂の覚醒-3P

 ……………………ただ、それだけ。


 力が溢れ出る……そういう感覚も、これが『力』なんだ! という手応えも、なに一つ得られない。

力が体中を駆け巡り、瞬時に問題解決できる。僕はそう期待していたのに、なにも感じない。


 まるで、なにかに騙されたかのように、狐につままれたような感覚のみが僕を襲う。


 それは、他力本願になるな。自分でどうにかしろと、神と称される類に暗に言われているようにも感じられる。


 力を欲した代償はなにもなかった代わりに、なにも得られないなんて……正に二兎追うものは一兎も得ずだね。そんな虚しさを覚え落胆する。


 だけど、今は落胆している場合じゃない。その行動が派手すぎたからか、カルマンの赤くギラつく瞳が僕を捕らえ、今にも殺しにかかる勢いで力強い一歩を踏み出した。


 それは僕を殺す、そんな意思の現れ。


 カルマンの踏み込む力はとても強く、地面が抉れ、土が跳ね上がり──そしてスローモーションのように落ちていく。


 土が抉れた地面に着地する時には、カルマンは僕の目の前に……

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