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054-魂の覚醒-1P



「あーっ! もう! 僕にも、カルマンのように誰かを救える力が欲しい!」

 

 無力でなにもできない自分に対する苛立ちが爆発し、僕は自分でも抑えられないほどの感情で叫んでいた。それは自暴自棄ともいえるくらい、感情論でしかない。理論的な要素なんて皆無。


 だけど、理論的に考えたところでこんな僕じゃ、カルマンを助けることも、この状況を乗り越えることもできない! そんな思いのみが強く渦巻いていた。


「ふふ、答えは決まったみたいね」


 そんな僕の叫びに反応するように、誰かが耳元で囁く。


 だけど今なら解る。僕の耳元で囁く誰かは、実態を持たない存在ということを。もし実体があれば、カルマンの目はそれを追っているはず。だけど、どう見てもカルマンの瞳にはなにも映っていない。次の標的を求め彷徨っている。


 その存在がなんなのかはハッキリ言って判らない。だけど多分、ソレはクトロケシス神の様に人ならざるモノ。


 それが悪魔だろうが神だろうがこの際どうでも良い。そんな区別をする余裕すらない。


 今の僕に必要な(モノ)は、誰かを守れる力。その理由が不純なものだと言われても、それが間違いであるなんて正論を叩かれたとしても、この状況でそんな戯言に耳を貸す意味も必要もない。


 誰かに決められ、安全な道を選べば楽かもしれない。だけど、僕は険しない道だと助言されようとも、この道を選ぶ。この道を選ばなきゃいけない!


 それに、今はなによりも『力』を求めることが先決。その提案と僕の願いは一致している。だから……

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