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-赤き月とカルマン-11P

〔悪魔に魅入られ堕神(だしん)したモルストリアナを止めるべく、最高神エレアデウスが、真実の槍で心臓を一突きしこの地に落とした。だが赤き月の夜、槍の効力が消え、モルストリアナが目覚めてしまう〕


 原文はここから変わることは決してない。そして今は赤き月の夜。


 まさか……! ヌワトルフ神父の言葉が意味していたのはこれだったのか。僕はそれを理解したと同時に、


「近い未来。この世界の秩序を守るため、人間ではないこの世の真理的存在に殺されることになる」


 ヴァール・ナシオンの言っていた言葉が脳裏に再生され、カルマンに憑いている神が誰なのか、そしてこうなる以前から全てが複雑に絡まり繋がっていたことを理解した。

 

 だけど、理解したところでなにかができるようになるわけじゃない。


 なら僕はどうすればいい? 逃げる? この状態のカルマンを置いて? このままカルマンを見殺しにしろってこと? そんな自問自答を繰り返す。


 カルマンとモルストリアが繋がっているのはこの段階で、既に明白。


 そして、この赤き月はきっと自然現象や偶然の産物なんかじゃない。誰かの思惑によって無理やり血に染まったように赤く染められただけ。


 この状態のカルマンを放っておけば、きっと無差別に人を殺す兵器になる。そして、それを止めるべく、遅かれ早かれ他の魂を遣う者(シシャ)がやってきて排除されることになる。


 そんな未来しか待っていないカルマンを、本当に置いて逃げてもいいの?

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