-不快な青年-17P
「キャンキャンとうるさい犬だな。急に威勢が良くなったかと思えば、尻込みして逃げるのか。フッ──、まぁいい。そんなに怒るな。おまえとはいずれまた、会う気がする。名前は?」
そう言い耳に小指を突っ込みながら、面倒くさそうに僕の名前を聴き始めた。
「……はっ? えっと──。リーウィン・ヴァンデルングですけど? 取り敢えず人に名前を尋ねる時は、自身から名乗れと教えてもらわなかったんですか?」
僕はそんな青年の態度に腹を立て、とっさに睨みつけたあと語気を強める。
そんな僕に青年は、
「はぁ──。俺はカルマン、カルマン・ブレッヒェンだ」
大きく長い溜め息をついたあと、これで満足か? そう言いたげに僕を蔑む。
そんなカルマンと名乗る悪魔に僕は、余計イライラを募らせながらも、
「カルマンさんですね? 僕は二度と、あなたにはお会いしたくないです!」
そう言い襟ぐりを掴む手を離せ! と必死に抵抗し続けた。
だけどカルマンの力は意外と強く、僕の力じゃビクともしない。
そして、そんな僕を引き留めようとしたのか、それとも面白い玩具かなにかと勘違いしたのか、
「フッ、まあなんだ。ここで出会ったのもなにかの縁だ。おまえ、魂の色を知りたいんだろ?」
かなり傲慢な態度で、脈絡のないことを言い始めた。
その脈絡のなさからして、普通の人ならば相手にしなかったと思う。それに神を信仰しない聖職者なんて悪魔だ! そう思うはず──




