-不快な青年-11P
「あっ、あの、すみません……」
そう助けを求めた。
影の正体は、白いローブをまとい、黒く伸びた長髪を、頭上で束ねた細身で長身の青年。
だけど声をかけてから気づく。この人、なんか怖い感じがする……。どこかおぞましい雰囲気を漂わせる青年に、大丈夫だよね? そう胸に落としながら、返答を待つこと数分。
「……」
アレ……? だけど青年は、無言で僕をギロりと睨みつけ、どこか威圧的な雰囲気を漂わせるだけ。
「あっ、えっと……、教会の関係者ですか?」
しまった! 見慣れない色だけど、ローブを着ているから、教会関係者だと無意識に認識していた。
もしかするとこの人は、一般人だったんじゃ……!? なんて、今更気づいても遅い。そんな不安を抱えながら見つめていると、青年は長い長い沈黙のあと、
「……………………そうだと言えば、なにかあるのか?」
不安げな表情で見続ける僕に根負けしたのか、冷た声で無愛想に答える。
「良かった……! えっと……。魂の色を鑑定してくれる人がいると聞いたんですけど、セラフィムの説明が大ざっぱすぎて、迷子になっちゃったらしくて……」
教会関係者なんだ。そう安堵しかけたものの、すぐ矛盾点に気づく。
確かフォルトゥナ教会では階級があるらしく、教会で働く人々のことを魂を導く者と総称している。
そんな魂を導く者は、なん段階の階級に分かれるんだけど、着ている礼服が違うから、どの階級の魂を導く者かを、瞬時に判断することができる。
僕たち一般人が関わるのは基本、セラフィムとケルヴィムのみ。だから一風変わったフード付きローブの、『赤』と『青』を着用している人に声を掛ければ間違いない。




