-とある日の……-2P
「どうして前日に伝えるの!? それも夕方! もう一日もないじゃないか!?」
僕はカルマンの非常識さに思わず、唾を飛ばしながら捲し立てるように早口で聞く。
本当、カルマンは元から頭が可笑しいから良いとしても、これを考えた人は頭が可笑しいんだと思う!
誰が考えたの!? ていうか一度、討伐対決を考えた人は、頭を開いて脳みそを確認してもらうべきだと僕は思う!
「ま、まぁ落ち着け……決まったものは仕方ないだろ?」
カルマンは今まで見たことのない僕の豹変ぶりに驚き、圧倒されるかのような態度で僕を宥めようとしてくる。
だけど──。
「どうして前日の! しかも夕方に! 決まったって連絡してくるのさ!」
いくらカルマンが僕を落ち着かせようとしても火に油を注ぐ結果になってしまう。
カルマンは苦笑しながらボソリと「済まない」と僕に謝罪するしかなかったらしく、子犬のようにしょぼくれる。
「なーに子犬みたいにしょぼんとしてるのさ! それに、済まないってなにさ!? まさかまた忘れてただとか、忙しかったって言いわけするつもり!? カルマンのあんぽんたん!」
そんなカルマンに僕は、責めるように捲し立てる。
「あっ、あんぽ? ……いや、そんな訳ないだろ」
カルマンは口を隠すように手をあて、目を不自然に逸らす。