-教会へ-5P
死にものぐるいでそんな人の波から抜け出し、壁に手をつきながら必死に息を整え辺りを見渡していると、教会内は人、人、人で埋め尽くされている。うわぁ、こんなに人が……。圧倒されて、少し気持ち悪い……。そんなことを思っていると、
「貴様! 怪しい動きをしているな!」
突然、ケルヴィムと思われる魂を導く者が、怒りを滲ませた声で僕に向かってズカズカと迫ってきた。それも地面が揺れるんじゃないかってくらいの足音で……。
「えっ!? ちょ、ちょっと待ってください! 僕はただ……魂の使命こん願者登録をしに来ただけなんですけど……?」
視線が定まらないまま、なんとか事情を説明しようとする僕だけど、ケルヴィムの鋭い視線に完全に飲まれちゃって……。どうして僕がこんな目に!? そう困惑を覚えながら必死に説明する。
「ほう? そんなちんちくりんな容姿をしておいて、成人だと? 笑わせるな! ここは遊び場じゃないんだぞ! 本当に成人だと言うなら、証拠を見せてみろ!」
だけどケルヴィムは、僕の言葉を信じるつもりなんてないみたい。余計に詰め寄り問答無用でどこかへ連れて行こうとする。
多分ケルヴィムの目には、僕は完全に子供か不審者にしか見えてないんだと思う。
いやいや、ちょっと待って!? 本当に僕、悪いことしてないから! なんでこんなに疑われてるんだろう……。僕は混乱や焦り、怒りを覚えながらも震える手でカバンを開け、