表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
176/1661

-君は本当に……-8P


 なんて大きな声を出す。僕はその声にビクッと体を跳ね上げたあと、恐る恐る母さんに視線を戻す。


 母さんは、『大丈夫よ』そう言いたげに、優しげな笑みを浮かべながら、


魂の使命こん願者(ドナー)を続けるなら、私の一生に一度のお願いも聞いて欲しいわ!」


 そう脈絡のないことを口にし始めた。


「えっ? 一生に一度って、大げさすぎないかな?」


 そんな母さんの言葉に僕は、眉を下げ困り顔をしながら苦笑する。


「ううん。大げさなことじゃないわよ?」


「えっと……。一生に一度のお願いってなに?」


 母さんはそんな僕の相槌のあと、


「絶対に死なないで。私より先に、死後(あっち)の世界には行かないでね」


 寂しさや葛藤を滲ませた笑みで僕に「約束よ?」なんて言った。


 母さんは普段通りの態度を貫くけど、その願いは真剣そのもの。今、目の前にいる母さん(じょせい)の表情からは、想像できないほど重たい鉛のようだった。


 どうしてそんな笑顔で言うんだろう? 母さんの心境が判らない。だけど、僕はそれを受け入れ心の中に沈めた──

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ