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-君は本当に……-4P
そう本音を言葉にしたあと、僕は恐る恐る母さんに視線を向けた。
母さんは、色んな感情を渦巻くように唇を噛み、なにかを必死に堪えているように思えた。
もしかすると、 僕の答えで母さんを激怒させるかもしれない。今度こそ家を追い出されたり、口すら聞いて貰えなくなるかも……。そんな不安が胸中で駆け巡り、どんどん心細くなっていく。だけど、腹を割って話そうと最初に言われた。ここで僕が、母さんの意見を無視し、隠れて魂の使命こん願者を続けても、同じことの繰り返し。逃げても無駄。そう理解していたから、
「もしかすると、やっぱり辞めたい。なんて、思う時期が来るかもしれない。それに母さんからすると、僕の選択は、とても我儘だと思う。でも、魂の使命こん願者にならないとなにも解決しない。そんなばく然とした、強いナニカ……予感のようなものが胸に残り続けているんだ……」
そんな母さんを見つめながら本当にこれが僕の意志なのか、そう自問自答を繰り返した。
だけど、考えたってなにひとつ判らない。最終的には、そんな解らないモノより、僕がどう思っているのか。