225-真なる力-
全員の準備が終わると、すぐさま僕が先手を切り、罠のように張り巡らせたロザルトとヤドリギの蔓の一部を地上へ出す。
それに気づいたタナストシアは、その蔓を焼き払おうと炎を手から出現させる。
だけど、さっきと同様に火に弱いはずのヤドリギは燃えず。まるで火を吸収するかのように急速に成長をはじめた。
「どうしてこの植物は燃えないのですか!?」
驚きに満ちた言葉を発する蛇のタナストシア。
うん。それは僕も知りたい。
僕は内心で同意を示しながらも、ここで知らないなんて言える訳もなく。ううん、言っちゃえばむしろ悪手でしかないことは理解してる。
だから、ヤドリギを焼き払おうと四苦八苦するタナストシアを見遣りながらも、無視を決め込んだ。
そんなタナストシアだけど、何度やっても僕の創り出したヤドリギは少しの傷もつけられず、徐々に苛立ちを募らせ始める。
ザシュッ
そんなヤドリギに翻弄されている間に、カルマンがタナストシアの懐へと忍び込み、なんの躊躇いもなくその指を切断する。
それを見たルフーラはすぐさまシャボン玉のような薄い膜のシールドを創り出し、カルマンがそこに放り込むように指を放り投げる。
ここまでは作戦通り。だけど、すべてが上手くいくということはなく。むしろ、アリエルはただの飾りに。そして僕の方も、タナストシアを捕縛出来なかった。
だけど、無事タナストシアの労力源になりゆる宝石の着いた指を体から切り離し、魂力などを無効化するシールドへ隔離することには成功したから、ほとんど誤差って言うことで。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
そんなタナストシアだけど、両手の指を一気に切断され、痛みに悶絶するかのように膝から崩れ落ちる。
それを認めたカルマンは、一瞬だけホッとした表情を浮かべた。
けれどすぐに何かがおかしいことに気づいたんだと思う。
カルマンは、切断されたタナストシアの指に着いていた宝石の一つに手を触れながら口を開く。
「その指輪……なんの力も感じれないが?」
けれど、その理由がわからない。だから問い掛けた。
「どうしてそれが、なんの力も感じれないって判るの?」
そんな僕の疑問にカルマンは、僅かに驚いたような表情を浮かべるものの、すぐさまスっと真顔へと戻しぽつり。
「……そう言えば言っていなかったな
俺は……」
そう言って、ナニカを僕に告げようとし始めた。
だけど――




