223-続き-
でも、皆が蛇のタナストシアに攻撃をしてくれていたお陰だね。
寄生植物を飛ばす準備を整えることができた。
僕は少しだけふっと息を吐き出すと、すぐさまそのヤドリギをタナストシアへと飛ばした。
ヤドリギは、ふわふわとたんぽぽの綿毛のようにゆっくり飛びながら、タナストシアではなく、なにもない空間に付着する。
多分、そこにシールドがあるって言うことなんだと思う。
まあ、タナストシア本体に届かなかったのは残念でしかないけど、目印ができたって考えれば――まあ、それはそれでありなのかも。
そんな僕が付けた目印しにまっさきに反応したのは、ルフーラだった。
「ルフーラ・サリエルが命ずる。汝、火の粉を纏い、その体を剣となりて彼の者のを射抜け」
ルフーラが魂法の呪文? を唱えると同時。右手から炎を柱のようなモノが現れる。
それをタナストシアへと放ったのはいいんだけど、カンッ! って、シールドに阻まれてなんの意味もなさなかった。
だけどどうしてかな? シールドに付着しているヤドリギは、植物。だから、火に弱いはずなのに、何故か順調に根を張り巡らせている。
頭い過る、どうして? なんで?
でも、今は問題ないってわかっただからそれでいいのかもしれない。
僕はそんなことを考えながらも、蛇のタナストシアへと攻撃を続けた。
やがて、攻撃を続けた成果か。それともヤドリギのお陰か。僕たちが総出で攻撃をし続けていたら、急にパリンとガラスが割れるような音が空間に響いた。
まあ、その時にはもう、ヘロヘロで気力だけで戦っていたような感じだったけど。
でも、これが最後の戦い。そう思うと、どうにか頑張れそうな気がした。
そんな中、突然カルマンが声をあげる。
「おまえらの力を貸してくれ!」
そんなカルマンの言葉に、僕は若干訝しみながらも、断る理由は特にない。だから、二つ返事で了承した。
だけど、ルフーラはあまり乗り気じゃない態度でまず、確認から始めた。
「作戦はどういう感じ?」
その問いを受けたカルマンは、僅かに苛立った様子で顔を顰めていたけど、無駄な時間を費やしたくないんだと思う。手短に、作戦という名の指示を僕たちに出し始めた。
「作戦と言うより賭けになる
リーウィンは、最後の覚醒をしたことによって、あらゆる技が使えるようになっているはずだ。
それを見込んであいつを捕らえて欲しい。
俺の鎌よりも素早く動かすことが可能なはずだから、おまえにしかできないと思っている。
アリエルにはリーウィンの補佐で幻影を。ルフーラには俺の補佐を頼みたい」
でも、その命令は空白だらけ。だからか、ルフーラは納得していない態度で問いを重ねる。
「補佐って何をすればいいわけ?」
「まず首に掛けている石の様なものを取るのはかなり至難の業だろう。
だから先に、指を切り落としたい。
その指だけを別空間……。簡単にはおまえが作り出すシールドで捕らえて欲しい」
「その指は別次元に送ったりするのはダメなわけ?」
「それでもいいが……そんな高度な技はさすがに無理だろ?」
「確認したわけじゃないから、わからない。でも、禁忌と書かれている欄に、別次元にモノを移す技は存在するみたいだね?」
そんなやり取りをしながらも、ルフーラはパラパラと魂で具現化した本を捲る。
だけど、禁忌と言うんだからそれを使うには、相応の代償が必要になってくるはず。僕は、その可能性を考慮して、即座に否定を口にした。




