-君は本当に……-3P
もし僕たちの知らないうちに、誰かの意図や思惑によって操られていたら……? そう思った次の瞬間、心の奥でなにかが弾けるように、『その思考は危険だ』そう考えを改めさせられるような気持ち悪い感覚に陥る。
どうしてそんなことを思ったのか? なぜ急に、そんなことを考えたのか? まるで解らない。だけど、僕はやっぱり魂の使命こん願者を続けることしかできないらしい。そんな答えを提示された気がする。
僕がそんな感覚に揺れ、悶々と考えている間、母さんはなにも言わず、答えを待ってくれていた。
「ふぅ……。あのね、母さん……」
僕は、答えのない問いに囚われるのをやめ、一度、深く息を吸い込んだあと、今、感じている気持ちを素直に話すことにした。
「母さんの気持ちは痛いほど伝わってるよ。僕はまだ、死ぬ覚悟もできないし、泣き虫で臆病な子供だって自分でも思う。それに、母さんから見れば、僕はまだまだ子供だよね。魂の使命こん願者にならなくても、生きていけるし、むしろ魂の使命こん願者にならない方が幸せになれるかもしれない」
「うん」
「でもね……。僕はまだ、魂の使命こん願者を続けたいと思ってる。これがたとえ、クトロケシス神の思惑や意図だとしても、今の僕には、辞めるという選択肢はないかな……」