222-続き-
「あんたたち、これで少しは頭が冷えた?」
いやいやちょっと待って!?
意味わからないんだけど!? なんで? 僕はそう思うが早いか――つい、勢い余って不満を零しちゃったよね。
「僕まで巻き込まなくても良いじゃんか!」
だけど、ルフーラはケロッ。なんだよ! ケロ! カエルだよか・え・る!
「あんたも冷静さはあるけど、いつもみたいな優しさがないからね
ついで」
そう言って、むしろなにか悪いことでもした? っていう態度で平然と言ってくるもんだから、思わず唖然としちゃったよね!?
だけど、そんなルフーラの水の攻撃は、なんだかんだで効果てきめんだったらしい。
猫のように全身をぶるるって振りながらも、ルフーラに確認し始める。
「あのつけている石のようなモノや、宝石の類が魔晶石だと言いたいのか?」
「可能性としては普通の人間が、魂を上手く使えるなんて殆どないと思うし、なんらかの形で使える様にしている。と踏む方が現実味があるかな? って。
それに、魂自体神に選ばれし子でも使える者と使えない者が存在しているしね」
そう言うと、含みを持たせるようにしてルフーラは、アリエルへと視線を投じる。
そんなルフーラの視線に気づいちゃったんだろうね。アリエルは、ムッと顔をしかめると、すぐさま子犬のように噛みつき始めた。
「なによ!?
ア、アリエルだって魂くらい使えるわよ!
奥の手として隠してるだけだもの!」
だけど、それは今までの流れからして嘘なのはすぐに理解できてしまう。
っていうか、アリエルはこの戦闘で一度も魂を具現化していない。ただ、幻覚みたいなので防御してただけ。
そんなアリエルのことを小馬鹿にしたような態度でルフーラは、軽く鼻を鳴らすと、嫌味ったらしく正論を叩きつけてしまう。
「魂を使わず、奥の手にしておく意味ってなにかあるの?」
そんなルフーラの発言に、どう言い返せばいいのかわからなかったんだと思う。
アリエルは絞り出すようにして言葉を紡ぎはじめたかと思えば――マシンガンのように言い訳を並べ始めてしまう。
「それは……。相手に弱いと見せ掛けてその隙をついて攻撃したり……
できるじゃない!」
その態度からしてもやっぱりそれは嘘で……。
多分。そんなアリエルが不憫に思ったんだと思う。カルマンが、アリエルの最後の矜恃を砕くように言葉を発してしまう。
「嘘なんかついたところで、お前が魂を使えないのには変わりないだろ」
それを受けたアリエルは、どこか寂しそうな――悔しそうな。複雑な心境を抱えるような表情を浮かべ黙り込む。
僕たちは、そんなアリエルを一瞥しながらも、ここで励ましてたりする場合じゃない。ていうか、こんな話している場合でもない。
僕はそれに気づきすぐさまみんなの指揮を取り始めた。
「取り敢えず、攻撃しながらあの人がどうやって、シールドを張ったり攻撃しているのか見極めよ」
だけど、そんな僕の指揮に不安を覚えたんだと思う。ルフーラが声をあげる。
「その前に、あのシールドを破壊できるか先ずはそこを考えないとじゃない?」
瞬間
――ブオンッ
なにかとても熱いものが僕たちの間を横切った。
『――!?』
それを受けた僕たちは、一斉に目を見開き熱い何かが飛んできた方へと視線を向ける。
そんな僕たちの眼前。
「話し合いはそこまでにして、そろそろ私の相手を再開してくれませんかね?」
蛇の骨を被ったタナストシアはどこか退屈そうな面立ちで、片手には炎の玉ような物を浮かべ言う。
それを認めた僕は、
「話し合いできる状況でもないし、一先ず各々あのタナストシアに個人戦感覚で挑んで情報を集めよう」
そう言うなり最後の覚醒をした時に、ふと脳裏に浮かんだ植物系の技――寄生植物みたいなのを繰り出す準備をはじめた。
まあ、それがどう転ぶかはわかんないけど……。多分、大丈夫――だと信じたい、かな?
僕はそう信じて、自身のやるべきことに専念した。
ついでにカルマンたちは、そんな僕のことを理解してくれたのか、各々蛇のタナストシアに向かって攻撃を仕掛けていいた。
とはいえ、どの攻撃もシールドに阻まれ、タナストシア本体に当てることは出来なかったんだけど……。




