218-続き-
「なにをしているのですか!
早くあの者たちを殺りなさい!」
蛇のタナストシアは焦った声でヌルに命令する。
だけどヌルは虫の息なのか、全く動こうとしない。
そんなヌルに痺れを切らしたらしい。タナストシアはとても大きな虹色に輝く魔水晶を両手に掲げ、ヌルにあてがいはじめる。
すると、どういう原理なのか……何もわからないけれど。虫の息だったはずのヌルは、“ぐぉぉぉぉぉぉぉぉ”と咆哮したあと、僕たち目掛けて突進しようとしてくる。
その勢いはかなりのもの。その為僕は、万事休すか。
そう思い、ちょっとだけ諦めそうになった。
だけどそれを見たノインが、どこか嬉しそうにヌルの相手をしてやると僕に提案しはじめた。
(ちょい、わてに任せてくれや)
僕はそんなノインの言葉に、若干の疑問を覚えつつも、ノインは乗り気だし、僕じゃ太刀打ちできない可能性がある。
だから、素直にその提案を受け入れることにした。
『わかった。でもあんまり無理はしないでね?』
そう言うが早いか否か――ノインは、僕が了承する前にヌルに向かって鋭い刃のような蔓を放つ。
ヌルはそんな蔓を引き裂こうとするけど、丈夫な糸の如くノインの蔓は、ヌルに突き刺さりビクともしない。
それを認めた蛇のタナストシアは、怒りを顕にしながらもヌルを叱責しはじめる。
「なにをグズグズしているのですか!」
その焦り具合はかなりのもので、どこか分が悪いと感じているようでさえある。
そんなタナストシアを見つめながらも、僕はカルマンへと提案する。
「殺るならノインがヌルの気を引いている今じゃない?」
そんな僕の発言に、カルマンは“そうだな”と一言。鎌をギュッと握り直す。
その様子を認めながらも僕は、ぽつり。
「蛇の骨を被ったタナストシアを殺ったら続きをしよう。
そして決着をつけよ」
そう言った後、蛇のタナストシアへとロザルトの鞭を伸ばした。
だけど、やっぱり僕には戦闘センスなんて皆無みたいだね。ロザルトの鞭は少しばかりタナストシアには届かず。むしろ、その一歩手前で思いっきり地面を叩いてしまった。




