-君は本当に……-2P
「………………」
母さんの気持ちは最初から変わらない。死にかけたんだから、辞めて欲しい。心配かけないで欲しい。そんな強い気持ちが瞳の奥から伝わってくる。
そんな母さんの信念とは対照的に、僕の気持ちははコロコロと変わりそうになる。だけど、魂の使命こん願者を続ける。その根本だけは揺るぎそうにない。
僕が言葉に詰まり、口を閉ざしていると母さんは、
「あなたの運命がなんなのか? 私には解らない。それに、理解するつもりもないわ」
そう言い、珍しく否定的な言葉を僕に向け、「あなたが危険にさらされてまで、やらなきゃいけないことじゃないと思うの」そう続けた。
母さんの言葉はもっともだ。我が子が危険に足を踏み入れて、理解できる親なんていないよね……。
母さんの気持ちは、痛いほど解るし、理解もできる。でも、僕はその道を選べない気がする。選ぶ権利すら奪われている。なぜか解らないけど、ばく然とそんな気がした。
そんな僕に気を留めることはせず、普段かなり感情を抑えているのか、追い打ちをかけるように母さんは、
「あなたはきっと魂の使命こん願者になりたい。そう、思わされてるだけだと思うの」
そう自分の意見をぶつけ続ける。
魂の使命こん願者になりたいという気持ちは、僕自身の願いであり憧れ。今までそう信じて疑わなかった。
だって、誰かに運命なんかを決められて、強制されているなんて、誰も思わないし、自分の考えに疑問なんて感じないじゃん?
だけど……