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-お互いの意志。譲れぬ信念-8P
クトロケシス神のことを伝えた。
「クトロケシス神が言うには、僕には運命があるらしいんだ。まあ、運命についてなにも教えてくれなかったけど……。あれはただの夢じゃなくて、神託だったのかもしれない。そう思ってる。少し、横暴な考えかもしれないけど……」
僕は、夢でどんな話をしたのか? 詳細に母さんに話した。
「そうね……。そうかもしれないわ。だけど……」
母さんはそう言うなり、その先を話すべきかどうするか悩むような間を置き、なにか決心したように、
「こんなことを言えば罰が降るかも知れないけれど……。あなたの人生は、クトロケシス様のモノでも、私や他の誰かのモノでもないのよ!? あなたの運命はあなたが決めるべきなのに、どうしてクトロケシス様に決められて、納得しちゃうの!?」
母さんは、誰かの決めた運命を歩むことに、納得できない様子で、僕の人権を否定されていると感じたのか、そう言いながら目に涙を浮かべて怒る。