-ドナーへの強い反対-2P
「あっ……はい……」
僕は開いた口が塞がらなかった。
|カルマン(この人)はなにを言ってるのかな? 今と全然違う容姿をしてるけど!?
フェルの代名詞とも言える、ギザギザ耳も、こうもりの様な羽も、生意気そうにつり上がった目もなにもかもない!
証明書を上下、逆さにして見たって、ぷくぷくに肥えた体に丸い耳。尻尾も筒長で丸みを帯びていて、特徴的な目も、糸目でまるで意味が解らない。
どう認識すれば、同じだと言えるの!? って小一時間問い詰めたいほど、似てる要素を見つける方が難しい!
きっと、カルマンは目が悪いんだと思う! それ以外、考えれないし、答えもみつけれない!
「あとは、おまえと契約すれば俺の要件は終いだ。 とっとと済ましたいんだが、いつ空いている?」
僕の気持ちなんてちっとも考えず、カルマンは勝手に話を進め始める。
「いや、ちょっと待って!? 契約は、不本意だけどするよ? (フェルの借金もあるし……) でもまず、フェルの! この! 証明書をどうにかしない? 名前もフェルじゃなくて、たぬきになってるし!」
僕は呆れ混じりの怒りを抱え、カルマンに訴えた。
「はぁ──。おまえ、めんどくさいな。一々、気にすることか?」
はぁ──。じゃないんだよ! 溜め息をつきたいのは、僕の方だよ!
それに、カルマンが勝手なことをしなきゃ、こんなことにはなっていないんだよ!? そう言えれば、どれほど楽か……。そんな戸惑いや不満をまたひとつ蓄積しつつ、
「カルマンが、気にしなさすぎなんだよ!? もう少し、気にしてくれてもいいと思うんだけど!」
僕はそう文句を並べ、抗議の体制へ。