-誰、これ……?-6P
僕は現実を理解しつつ、討伐後に支給された二百五十万セクトのほとんどをカルマンに渡し、「どうにかできないかな?」と頼み込んだ。
「ふむ……、なら条件を出してやろう。俺と専属契約を結べ。そうすれば、分割で支払うことを許してやる。期日も大目に見て無期限だ。悪くないだろ?」
なんて言い始めた。
えっと……元々、一億五千万セクトっていう大金を一括で払わせようとしてたの? えっ、いけると思ってたのかな? この人、頭のネジ何本か飛んでる? そう困惑を覚えながらも、専属契約への回答をまだしていない。僕は渋々、了承せざるを得なくなってしまった。
はぁ──。カルマンの頭が急に吹っ飛んで、|フェルの窃盗事件(この件)を忘れてくれないかな……。なんて無意味な妄想が頭をよぎった。
今回はさ、メテオリットの欠片を討伐する時に何度か魂を貸したから良かったよ? でも、普通に考えて、無理じゃん? そんな小言を胸の中で落としていると、違和感を覚える。
あれ……? 討伐時に魂を貸した回数って何回だっけ? 確か──、六回くらい……? あれ、えっ? ちょっと待って!?
なんか、五十万セクトほど多い気が──