表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/1660

-教会へ-2P

 でもね、リクカルトは宗教国家だからヌワトルフ神父の演説ってほとんどが宗教関連なんだよね。



 神々の存在はリクカルトにとって、とても大切なものなんだけど、正直、神父の話ってどこか胡散臭くて僕の心にはあまり響かないんだよね。



 まっ、なかなかお目にかかれない人らしいから、見れたのはラッキーだったかもっ!? 魂の使命こん願者(ドナー)登録っていう大切な用事がなければ聞くのもありだったな〜。なんて思ったんだけど、早く教会に行かなきゃ! って心が踊っちゃって……。でも教会に着いた瞬間、僕やらかしちゃったみたい……。



 教会が開いてない! なのになぜか長蛇の列!? えっ、どうして? そう訝しげていると、



 ヒヒーンッ! パカラッパカラッ──



 僕の存在が見えていなかったのかな? 急いだ様子の馬車が僕の前で急ブレーキをかけ、鹿毛馬が驚いたように立ち上がる。



 そんな馬を宥めながらも馭者(ぎょしゃ)は、



「ここは馬道だ! 次、馬道に突っ立ってたら轢き殺すからなクソガキ!」



 そんな罵倒を浴びせたあと、馬に鞭を入れ再び走り去る。



「ひゃっ──。馬道とか知らないし! なら馬道って判る様な立て札でも掲げといてよ!」



 そんな文句を言っていると、僕を見ていた卵売りのおばさんが、



「あんた、ナダイムには初めてきたのかい?」



 困惑した表情で僕に声をかけてきた。



「えっと……幼い頃に何度か……」



「見た感じ、十三歳から十五歳くらいかい? もうすぐ成人になるんだろ? ここは馬車が良く往来するんだから、あの看板をちゃんと覚えておくんだよ」



 おばさんは僕が今日、成人になったとは毛頭思わなかったんだと思う。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ