表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
145/1661

-カルマンとフェル-9P

 だけど、僕の不安は杞憂に終わった。


 筋肉はあるものの、意外と細身だったみたい。服は普通に着れたらしい。一安心しつつも、(すそ)(そで)は足りないよな〜。なんてカルマンに目を向ける。


「……」


 僕の予想通り、裾や袖が足りていない。とてもダサ──。面白いことになっていた。


 ダメっ! 笑っちゃダメだから! 僕は肩を小刻みに震わせ、必死に笑いを堪えた。


「えっと──。身長ってなんセンチ?」


 カルマンの滑稽な姿に笑いを堪えつつ、僕は平常心を装って世間話を振る。


「そんなことが気になるのか? 百八十六だが?」


「ち、ちなみに体重は……?」


 僕の服が入るってことは──。僕が見た筋肉(アレ)は幻覚? そんな疑念が過り、つい確認してしまった。


「以前、測った時は五十二だったと思うが──」


 カルマンは、そんな情報必要か? と首を傾げる。


 まぁそりゃ……体重なんて普通、気にしないよね。僕も聞いておきながら、特に興味ないもん。


「ひゃくはちじゅうろくの、ごじゅうに……」


 百八十六センチか〜。いいなぁ〜。そんなことを考えながらも、気づいかない方が良い事実に気づいてしまった。僕とカルマンは、二十センチも差があるのに、僕の方が体重が一キロほど重い……。そんな事実知りたくなかった……。


 僕はその体重が、()()()()()()()()()()なのか考えないまま、肩を落とす。


「まぁ、体重に関してはかなり前に測ったきり、知らないがな」


 そんなカルマンの言葉は僕の耳に届いていなかった。


 僕って太ってるのかな──。そんな悲しみを覚えながら、白目を向いたまま洗濯し、室内に服を干したあと、乾くまでの間、部屋に戻ることにした──。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ