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-カルマンとフェル-7P
そう思いつつ、他人の裸なんて見たくない。それはこの歳の人間ならば、一度は感じることだと思う。そんな理由から、脱衣所の外でカルマンが出てくるのを待つことにした。
数十分後、カルマンはシャワーを浴び、とても臭いナニカを流し終えると、
「おまえん家の洗髪剤はゴワゴワして使い物にならないな」
そんな文句を言いながら、ほわほわと湯気を立てて、全裸のまま脱衣所から出てこようとする。
「ちょっ、ちょっと待って!? 服を着て!」
僕は慌ててカルマンにタオルを投げつけ、目をギュッと瞑り、脱衣所に戻るよう強く言った。
「なぜだ? 別に減るもんじゃないだろ? それにこの服でどうしろと?」
不満を滲ませるそんなカルマンの声に、思わず僕は、
「あー! もう解った! 解ったから、タオルを腰に巻いて! 一先ずそれくらいのエチケットは守って!」