-カルマンとフェル-4P
カジノに行くようなフェルだけど、中身は三歳児同然。フェルは不満げにジタバタと抵抗し、鋭い爪を僕にチラつかせる。
だけど、そんな抵抗をしたところで僕も手を離すつもりは毛頭ない。それにフェルの短い手足じゃ、僕に爪が届くことは有り得ない。
フェルはそれを理解したのか、
「オマエなんて、こうしてやるガウ!」
なんて言いながら、とても臭いナニカを取り出し、僕目掛け投げつけ始める。
「ちょっと、フェル!」
僕はとても臭いナニカを避けながら、フェルに話を聞く様にと説得を試みた。
だけどフェルは、落ち着く気配なんて見せず、投げ遣りな態度で臭いナニカを投げ続けた。
幸いなことに、普段からよく投げてくるおかげで避けるのが上手くなっていた。僕にソレが当たることは一度もなく、
「避けるなガウ! オマエなんてこうだガウ!」
なんてフェルは怒りをどんどん募らせていく。
だけど「避けるな」なんて言われても無理に決まってるじゃん!? フェルは思い通りにならない僕に余計、腹を立て続け、そして、とっておきだ! と言わんばかりに、とても臭いナニカを大量に投げつけ、目隠し代わりにしたあと、鋭い爪を僕に向けてきた。
さすがにこれは避けきれない。フェルに引っ掻かれた拍子に僕の手は、掴んでいたモノを勢いよく投げ飛ばす。とっさのことでフェルも予想外だったのか、床に鼻面を強打した。
「──っ! 痛いな、フェル! なんでそんなことするの!?」
「痛いなガウ! オレサマになにするガウか!?」
僕とフェルは、カルマンの存在なんてすっかり忘れ、同時に言い合いを始めた。
「ふんっ。ジゴウジトクガウ!」
フェルは赤くなった鼻面を撫でながら、二足の体制で腕を組み、尻尾をぱたん、