-たぬきじゃないから!?-4P
はぁ────本当に疲れる、嫌い!
そんなカルマンに心底腹を立て、なにか言わずにはいられなくて、
「そんなの、僕が解るわけないでしょ!? それよりずっと気になってたんだけど、キミ、フェルのことでなにか隠してない?」
なんて、思わず脈絡のない質問をぶつけた。
別に、本気で隠しごとをしているなんて思っていない。ただ、言われっぱなしがムカつく! それだけ!
「いや、俺は知らん。それに、俺とたぬきが似ているわけがないだろ? おまえの目は節穴か?」
カルマンの態度は相変わらず偉そうに見えるけど、なんか行動が怪しい。あれ? えっ、本当に隠しごとしてたの? そう思わざるを得ないほど目を不自然に逸らし、僕とは一切、合わせようとしない。それに、手が迷子のように口元や耳たぶを行ったり来たりしている。
僕はそんな予想外な行動をするカルマンに、目を点にしながら、
「本当に?」
そう疑うようにジト目を向けた。
カルマンは僕の態度に反応し、図星を突かれたようにムッとした表情で、
「おまえはバカなのか? 逆に、どういった部分が似ていると思うんだ? 具体的に話せ」
なんて子供が怒られて不貞腐れるように、わざと僕を怒らせるような態度を取り始めた。
なにこの人!? 僕がフェルのことを聞いた時から怪しいと思ったけど、これもう完全に黒でしょ!? ていうか! そういうのもフェルに似てる気がする! どーして怒られて、テーブルの上に足を置き始めるかな!? もう二十は超えてるであろう、僕よりも立派な大人がやる行動じゃない気がする! 絶対フェルだ、第二のフェルに違いない──