-常識知らずなカルマン-8P
「契約すればどうなるの? なにか僕にメリットでもあるの?」
「専属契約すれば俺以外、おまえの魂に触れることができなくなる。もし契約者以外が無理に魂をつかおうものなら、そいつに強い負荷がかかり、契約者の能力次第では、最悪死ぬな。だが、おまえはメリットを知りたがっていたな」
「うん、そうだね」
なぜそこまで勿体つけるのかは理解できないけど、僕はジトーッとした目で睨み続けた。
「変な顔をするな、うっとうしい。──俺と契約すれば、魂が護られ死亡のリスクが大幅に回避できる。それと同時に、気枯れの進行も大幅に遅らせることができる。あと、おまえのたぬきも無駄死にを免れるだろう」
カルマンは、ぶっきらぼうな態度で契約のメリットを説明してくれた。だけど、最後に全く聞き馴染みのない単語を放り込み、僕にどうするんだ? なんて圧力をかけてくる。
「それが本当だとして、契約を結んだあと、破棄する場合はどうするの? あと、たぬきってなに?」
「はぁ──、まぁいい。契約の破棄は厄介だが簡単だ。契約者の前で契約書を破り捨てればいい。ただし、無理に破棄させた場合、それ相応の罰が下る。簡単だが、両者の意見が一致しない限り、まず契約破棄は不可能だ。だから契約する前によく考えろ」