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-常識知らずなカルマン-3P


 さらに、各色の魂にはどんな特徴があるのかなんかが詳しく記されている。


 だけど、どれも僕には関係ない情報ばかり。


 ざっと読んでも、カルマンがなにを言いたいのか、伝えたいのか、さっぱり解らなかった。むしろ、無駄な時間を消費しただけな気がする……。


「はぁ──」


 僕は無意識に、深い溜め息を落としていた。


 だって、カルマンから聞いた話だと、僕の魂の色は『無色透明』のはず。僕も実際のところは判らないけど、透明に近い炎を何度も視ている。だからその認識は間違いじゃないはず。


 でも、この本には無色透明の情報は書いていない。


「これがどうしたの? 僕になにか関係ある?」


 僕は心の中で、『貴重な時間を返せ!』と毒づきながら、カルマンを鋭く睨みつけた。


「そう睨むな。おまえの魂は異例ということを知って欲しかっただけだ。おまえと同じ魂を持つ人間は、過去にも現在にも、おまえ以外で言えば一人しか存在しな──」


「へー」


「そいつの名はアード。アードの魂も知り合いのツテを頼って稀覯本(きこうぼん)を読んだんだが、非常に脆いと記されていた。そして、最期は魂を使いすぎて暴走し、全てを破壊したあと、命尽きたとされている」


 カルマンは、僕の態度なんて気にも留めず、淡々と話を続けた。


「魂の暴走ってなに? 僕になんの関係があるの? それとも、こういう理由があるから、魂の使命こん願者(ドナー)を続けるのは辞めろって言いたいの?」


 僕は、カルマンの意図が解らず、苛立ちを露わにしながら問い詰めた。


「魂の暴走ってのはだな、悲しみや興奮、怒りなんかの感情が精神を(むしば)むことで引き起こされる。言わば別の人格が現れ、隠していた凶暴な一面に乗っ取られ、命が尽きるまで暴れ回る、そんな感じだ。もっとも、今のところ厄災級の暴走は報告されていないが」

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